味はまばらがいい

突然ですが“すきやき”美味しいですよね

神戸家では大晦日は家族ですきやきが定番でした

醤油の香ばしい香りと、甘辛い味付けが食欲をそそります
(あ、考えただけで唾液が・・・)

すきやきって関東風と関西風がありますが、
あなたのおうちはどちら派ですか

我が家は関東派ですが、
以前、奈良のすきやき店にお邪魔した時のことを
お話したいと思います

そこは奈良の片田舎にあり、最寄り駅を降りた瞬間、
まちがえたかな・・・と思う程の光景でした
(お店がまったくない)

民家の間を抜けて、
え・・・この道も通っていいの?と思う程の狭い道を抜け、
目の前に現れたのが1軒のお肉屋さん

お肉屋さんの2階にそのすきやき店はあります
知らなければ間違いなく通り過ぎます

期待も膨らみ・・・と言いたいところですが、
正直「田舎の素朴な美味しさなんだろうな…」と、
食べるまでは期待そこそこだったのを憶えています

お肉屋さんの脇にある入り口から、
ちいさなエレベーターで2階のお座敷へ向かいました

座るやいなや、
店主の男性が現れ(意外にお若くてビックリ)、
本日は私が焼きますのでよろしくおねがいします
とご挨拶

とてもお話上手で、冒頭からお肉のご説明や
巷では知り得ない情報をたくさん聞かせてくださいました

すきやき本番の前に何品か戴いたのですが、

「国産牛タンは市場に出回ってないんですよ
うちのは勿論国産牛のタンですけどね~」

と言いながら自慢げに出されたタンのお刺身

まぁ~あ!驚くほど絶品でした

ここで期待値急上昇!


「ではこれからお肉をお焼きしますね」と
鉄板に牛脂をしきはじめ、

美しい差しの入った牛肉が、じゅーーーっ~

この音だけでさらに食欲がわいてきます

表面をさっと焼いたら砂糖をお肉にのせます

しかも思いっきりまばらに

大きなお肉にトン・トン・トンと3カ所にしかのせません

そしてこだわりのお醤油をこれまたまばらに
ちょろ、ちょろ、ちょろっとかけて、

振りかけた調味料は広げたり、混ぜたりはしません

(こだわりのお醤油はお隣駅のお蔵さんで醸造された天然醸造の濃口醬油で、散々試した結果このお醤油に落ち着いたそうです)

そしてお待ちかね

「どうぞ召し上がってください」

OKがでました

「ん~~ん♪」(目をつぶってたと思う)

美味しいのは勿論、

おもしろいのは
口の中に入れたお肉が
場所によって味が違う

醤油の味
  ・
砂糖と醤油の混ざった甘辛の味
  ・
お肉の脂の甘味
  ・
  ・
これらが順不同にやってきます

「敢えてまばらに味付けしてるんですよ。
そうでないと飽きてしまうのでね。」

とご説明くださいました。

なるほど!

この発想は日本人ならではだな!とそのとき感じました

昔“3点食い”をしなさいと言われませんでしたか?

同じおかずを一気に食べるのではなく、
おかず→御飯→味噌汁→御飯・・・のように
順不同、まばらに食べる習慣を日本人は善しとします

まばらに味付けした方が
すきやきも最後まで美味しく食べられると知り、

そうか!日頃の料理(特におかず)も
味を均一にしない方が美味しいんだ!
と妙に納得した瞬間でした

あなたは味付けをする時、
きれいに均一になるよう混ぜすぎてませんか?

もしかするとちょっと混ざっていないくらいの方が
美味しいかもしれません

是非、試してみてください